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からからなるもの
発泡スチロールの緩衝材は、商品を守ることを目的とした造形物です。普段は気にも留めない脇役のような存在ですが、その細部を観察すると造形的魅力に溢れた存在であることに気がつきます。
本作は発泡スチロールの塊から細分化した緩衝材をアウトラインに沿うように1mmの鉄板で囲い、元となった緩衝材をそのまま中に封じ込めて溶接します。
すると溶接の過程で熱が伝わり、中の発泡スチロールが溶け、収縮しながら硬化します。小さな樹脂の塊と姿を変えた緩衝材は、からからと音を鳴らすことでその存在を私たちに伝えてくれます。
元の姿を見る事は叶いませんが、かたちを変えて存在を伝えてくれていると思うと緩衝材の骨壷のようでもあります。
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